このページでは、「やさしい日本語」の概要について、かんたんにお伝えします。
「やさしい日本語」って、どういう日本語?
「やさしい日本語」とは、
相手に伝わるように、わかりやすく言い換えた日本語
のことです。
外国から日本に来た「外国人」向けの日本語として知られています。
しかし、実は…、ここでの「相手」とは、
外国ルーツの方のように日本語を母語としない方はもちろんのこと、
耳の聞こえに問題がある方や、お年寄りの方、
コミュニケーションに困難がある方、お子さん、など…
様々な方を対象にしています。
「やさしい」には、簡単という意味の「易しい」だけでなく、
思いやる気持ちの「優しい」も込められています。
「やさしい日本語」は、あらゆる方、あらゆる場面において
情報伝達を円滑にする、可能性にあふれたツールなのです。
「やさしい日本語」が生まれた背景は?
「やさしい日本語」が生まれたきっかけは、
1995年の阪神・淡路大震災でした。
この震災では、在住外国人への情報伝達がうまくいかず、
結果として外国人の死亡率が日本人の2倍になってしまいました。
その反省から、弘前大学の佐藤和之先生らが研究を重ね、
生み出したのが「やさしい日本語」です。
災害時の情報伝達のために作られましたが、現在は災害時以外にも、教育・医療・介護・観光・行政などさまざまな場面で使われています。
どうして今「やさしい日本語」が必要?英語じゃダメ?
ここで皆さんに質問です!
日本に住む外国人の皆さんと会話する時、一番伝わりやすい言語は何だと思いますか?
英語だと思いましたか?
実は…、
一番伝わりやすい言語は、英語じゃないんです!
日本に住む外国人のうち、非英語圏(母語が英語ではない国・地域)から来た人の割合は、
約70%以上です。
そして、外国人の皆さんは日本に来る時、日本語を勉強してから来ます。
そのため、程度の差はあっても日本語が分かる人が多いんです。
実際に、入管庁が行なった
「令和2年度在留外国人に対する基礎調査」
(p.77-80 日本語でのコミュニケーション(話す・聞く)に関する調査)によると、
日本語の会話が少しでもできる国内外国人の割合は88.0%に上りました。
ちなみに、日本に住む外国人のうち、英語が分かる人の割合は約40%です。
つまり…、
日本に住む外国人に一番伝わりやすい言語は「やさしい日本語」なんです!
だから、英語が苦手な人も大丈夫です!
英語で話しかける必要はないんです。
「外国人=英語」ではないんです。
「英語できないから、外国人と会話できない」
と思わなくていいんです。
ぜひ、「やさしい日本語」で外国人の皆さんと話してみましょう!
「やさしい日本語」がよくわかるYouTubeビデオ
「やさしい日本語」がよくわかる本
「やさしい日本語」をゼロから学びたい方向けに、『入門・やさしい日本語』という本があります。言い換えのポイントだけでなく練習問題も豊富にあり、漢字には全てふりがなが書いてあります。
若い世代や漢字が苦手な方、日本語を勉強中の外国ルーツの方にもおすすめです!
それでは、「やさしい日本語」で話すとき、どんなポイントに気をつければいいのでしょうか?